投資用物件は新築よりも中古が適している
マンションや住宅などの不動産には、自分や家族が住むために購入する物件と、投資用に購入する物件がありますが、ふたつはまったくの”別物”だと考えてください。
自宅用に購入するために新築の不動産と中古不動産を比較すると、どうしても新築を選びたくなります。
少しぐらい中古より高くても、新しいマンションの方がきれいですし、住み心地がいいに決まっています。でも、それはあくまでも自宅用に購入する場合の話であって、個人投資家が投資用に購入する場合は中古物件の方が適しています。
第一の理由は新築は利回りが下がることです。これは投資にとって致命的です。
物件の購入価格が上がれば上がるほど、家賃も高く設定する必要があります。そうなると賃貸需要が限られるようになり、そのために賃料を下げれば利回りが追いつかず赤字経営が続くことになります。そして不動産投資は失敗に終わります。
第二の理由は、今建てられている新築マンションは、都会の立地条件の良いところにはあまり建たないことです。
都心の一等地にある新築の賃貸マンションが何十万円もの家賃で貸し出されている例はありますが、あれはまとまった資本を投下して回収する大手の不動産会社による事業だからできるのです。
個人投資家が同じように投資するのはまず無理ですし、できたとしてもあまりにもリスクが大きすぎます。長期にわたり安定して経営することで利益を生む不動産投資とはベースが違うのです。
また、中古物件の相場賃料は新築物件に比べて下がりにくいと言われています。
新築の場合は2年、3年と時間が経過するうちに、新築ではなくなるわけですから物件の競争力が落ちてきます。そして賃料に下げの圧力がかかり下げざるをえなくなります。
新築マンションの経年劣化による賃料の下落率について、築3年〜築10年、築11年〜築20年、築21年以降の3段階で比較した調査をみると、築3年〜築10年が一番大きく、築11年〜築20年、築21年以降と経年するほど下げ圧力は小さくなっています。
これを新築から25年目まで平均してみると、ほぼ毎年1%程度の下落率で変化していくと言われています。
こうした調査結果からも、新築よりも中古物件の方が賃料は下がらないことがおわかりになると思います。
次は
コラム4-2 その2
です。
(2016年7月11日発行 不動産投資は”未公開の「任意売却物件」を狙いなさい! より抜粋)