マンション価格上昇で俄然注目される任意売却物件と競売物件
不動産データバンクの東京カンテイによると、2015年の首都圏での新築マンション供給戸数は4万8610戸で、前年比マイナス7.3%となり、2014年からの減少傾向を引き継ぐかたちになりました。
新築マンションの供給数が減った大きな要因に、物件価格の高騰が指摘されています。
首都圏の2015年新築マンションの平均価格は5183万円で、ミニバブルといわれた2007年時期の4691万円を大きく超えています。
これは長年続いている低金利政策による需要喚起が、都市部での不動産価格の上昇をもたらした面があると思います。
また、東日本大震災の復興事業による資材価格の高騰や、職人不足による人件費の高騰が建築コストを急激に押し上げたと言われています。
こうした新築マンション市場の価格上昇は、中古マンションの取引価格にも大きく影響しています。
東京の中古マンションの坪単価を見ても、2012年をピークにして続いていた下降傾向が、2015年には増加傾向に転じています。
不動産市場が活況を呈することは日本経済にとって喜ばしいことに違いありませんが、不動産投資にとっては話が違ってきます。
マンション価格の高騰は投資利回りを押し下げますし、せっかく低金利時代であっても、価格の上昇でメリットが相殺されてしまいます。
投資マインドにも影響を与える可能性もあります。
新築価格上昇は、割安感のある中古マンション需要を喚起して価格の上昇をもたらします。
2015年の中古マンションの価格上昇は、そうした不動産市場の背景があるからです。
この価格上昇が、築浅の中古マンションの供給量を増やしています。
市場価格が上昇すれば、キャピタルゲインを狙って持ち主が売りに出すからです。
その結果、中古マンション供給量は増えているものの、価格はあまり下がらず高止まりしているのが現状です。
そこで近年、俄然注目されるようになったのが、条件の良い投資物件を市場価格よりも安く手に入れることができる任意売却物件と競売物件です。
次はコラム2-2 その2
です。
(2016年7月11日発行 不動産投資は”未公開の「任意売却物件」を狙いなさい! より抜粋)