販売価格の安い任意売却物件は増加、高い競売物件は減少
任意売却物件と競売物件を比較すると、競売物件のほうが裁判所が介入するぶん公正な取引ができるように感じないでしょうか。
その反面、裁判所等の手続きが面倒で、時間も手間もかかるのも事実です。
また、公開が原則なので個人で入札・落札することもできますが、裁判所は最低限の情報しか開示しません。
例えば、建物内部を実際に見ることができない、今どんな人が住んでいるかわからない、落札できるかわからないなど、新たな不動産投資用の物件としては販売サービス面で劣ると感じます。
このため、不動産業者や弁護士などの専門家でないと後々トラブルになることも多いと言われており、最近は競売件数そのものが減少する傾向にあります。
ひと昔前は競売ばかり目立ちましたが、今では驚くほど目立たなくなりました。
その一方で注目を集めているのが任意売却物件です。
任意売却物件には競売物件に比べて次のような特徴があると言われています。
《任意売却物件の主な特長》
(1)販売価格が他のより10~15%程度安い
(2)駅近などの優良物件が比較的多い
(3)未公開の希少物件が多い
(4)元々不動産投資物件として開発されたものが多い
(5)居住者は退去せず安定した家賃収入が継続して確保できる
(1)の販売価格の安さは不動産投資物件としては最大の魅力です。
競売で購入したお客さんがいて、「こんな物件をこんな高い価格で買っているんだ」とびっくりすることがよくあります。
任意売却物件の販売価格が安いのには、いくつか理由があります。
まず、債権者である金融機関等が、税金や管理費の滞納などで権利関係が複雑になっている状態をできるだけ早く解消するため、比較的安い価格で手放すことがあげられます。
また、入居者が居抜きのままなのでリフォーム等の費用が掛からないこと。
さらに、販売する物件が未公開であるため、競売物件のように価格が吊り上げられることが少ないこともあげられると思います。
次は
コラム1-1 その4
です。
(2016年7月11日発行 不動産投資は”未公開の「任意売却物件」を狙いなさい! より抜粋)